平敷屋朝敏、安謝の浜で斬られる
どんな伝承か
平敷屋朝敏は、才華は在五中将のごとく、生涯はなお遥かに数奇であった。どこの国でも策略をもって老いた政治家と闘えば敗れる。彼が十四人の同志とともに安謝の浜辺で斬られたのは、その三十六の歳であった。妻は官に没せられて婢となり、孤児は与那国の島に流され、今はもう家の衰運を歎くべき子孫も残っていない。天久の人里を少し過ぎて、安謝の悲しい故跡へ下りて行こうとする坂の口には、道に面してナナユーフィの墓がある。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
定本柳田国男集 第1巻(柳田国男・定本柳田国男集)
柳田国男編『定本柳田国男集 第1巻』を全451話・伝説(1見出し=1話)単位で収録(緒言・序・名義・解説・和歌・注は除外/内包)。所在地(郡村区・社寺)を付して集成。