針の立った跡から湧いた清水
どんな伝承か
乙千屋の百姓の家で、娘が機に向かっていた。そこへ身なりの粗末な旅僧が立ち寄り、水を一杯ほしいと乞う。一日で織り上げよという父の言いつけに背く叱責を覚悟のうえ、娘は手間をかけて水を汲み、差し出した。僧は娘の心根に礼を言い、この針の立つ所には清水が湧くと告げて、一本の針を残して立ち去る。帰ってきた父は怒って娘を打ちすえたが、そのはずみに針が落ちて地に突き立ち、そこから清水が湧き出したという。僧は後に弘法大師と知れた。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第14巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第14巻』所収の「文化叙事伝説」「自然説明伝説」全75話(熊本・宮崎・鹿児島=南九州)を、各話の伝承地(市町村〜字レベル)とともに収める。