釣鐘をかぶった千手観音を射た兄弟
どんな伝承か
佐野の瀬戸に、与一と与成という兄弟の猟師がいた。ある日、得体の知れぬものがのたうつのを見つけ、十二束の矢を射かけると、チーンと音がして跳ね返る。最後の一本になったとき、神か仏か正体を現せと叫んだところ、現れたのは釣鐘をかぶった千手観音であった。かまわず射ると血がしたたり、跡をたどれば雲辺寺の本堂へ続いていた。殺生をやめよという観音の知らせと悟った与成は、以後この寺の門番として生涯を終えたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第12巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第12巻』所収の「文化叙事伝説」全139話(香川・徳島・愛媛・高知=四国)を、各話の伝承地(市町村〜字レベル)とともに収める。