フカの背に乗って戻った善右衛門
どんな伝承か
沖家室島の善右衛門には美しい妻があったが、島の若者と通じてしまう。三人で千貝の瀬へ貝を採りに出た日、夢中になっている善右衛門を置き去りにして、妻と若者は船で帰ってしまった。取り残された彼が日頃信心する地蔵菩薩に助けを乞うと、大きなフカが現れ、その背に乗せて島まで送り届けたという。翌日、礼を述べに泊清寺へ参ると、堂まで血の跡が点々と続いており、前の日のフカが地蔵の化身であったと知れた。この地蔵は今も海を守る仏として信じられている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第10巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第10巻』所収の「文化叙事伝説」および「自然説明伝説」全85話(岡山・広島・山口=中国地方)を、各話の伝承地(市町村〜字レベル)とともに収める。