竜灯以外に火の玉を見たという話は数限りなくある
どんな伝承か
山口県大島郡の近海では竜灯のほかにも火の玉がしばしば目撃され、海に生きる者でこれを見たことがない人は少ないという。大島近海に現れる火の玉は黄味を帯びぼんやりとした光で、五、六月ごろのむしむしする雨の晩に海面をころがるように現れることが多い。夜曳の網を仕掛けているときに見た漁師もおり、海の上をふわふわ転がって島陰へ消えていったといい、一年に必ず二度は目撃の噂を聞くという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 ― 偽汽車(松谷みよ子・民話・口承文芸・昭和〜平成)
松谷みよ子『現代民話考 ― 偽汽車』を小話単位で全525話収録。汽車・船・自動車などの乗り物にまつわる現代の民話・怪談を全国から採集。狐狸が汽車に化ける偽汽車、船幽霊、タクシーに乗る幽霊などを地域・話者つきで収録する。各話に採集地(都道府県・市区町村)と話者・回答者を可能な範囲で付す(県判明496話・市区町村判明359話、戦地や場所不明の話を含む)。原典は読者からの投稿・採訪に基づく現代民話の集成。