大島(7)
どんな伝承か
山口県大島郡の大島に伝わる、故人となった小田のおじさんの話である。油良(日良居村)のくぼからこちら、東の方へ出てみると、大きな火が自分の島の方で明るく燃えている。黄色で芯のない火であった。釣りをしていたおじさんが「こちらの方へ来ればいいのに」と言うと、火はころころと海の上を転がって船のそばまで来た。そうしてどうしても離れない。恐ろしさのあまり、おじさんは力いっぱい船を漕いで帰ったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 ― 偽汽車(松谷みよ子・民話・口承文芸・昭和〜平成)
松谷みよ子『現代民話考 ― 偽汽車』を小話単位で全525話収録。汽車・船・自動車などの乗り物にまつわる現代の民話・怪談を全国から採集。狐狸が汽車に化ける偽汽車、船幽霊、タクシーに乗る幽霊などを地域・話者つきで収録する。各話に採集地(都道府県・市区町村)と話者・回答者を可能な範囲で付す(県判明496話・市区町村判明359話、戦地や場所不明の話を含む)。原典は読者からの投稿・採訪に基づく現代民話の集成。