斧を磨いて針にする老婆と磨針峠
どんな伝承か
京で学んでいた一人の学者が、怠け心から学問を投げ出し、帰る道すがらこの峠に差しかかった。そこで老婆が大きな斧を懸命に石へこすりつけているのに出会い、何をしているのかと尋ねると、斧を磨りつぶして針にするのだと答えた。学者は己の辛抱のなさを恥じ、京へ引き返して学業を成し遂げたという。後年ふたたびここを訪れた学者は、斧さえ磨けば針になるものをと歌に詠み、峠を磨針峠と名づけて、記念の杉を植え神霊を祀った。これが磨針明神で、杉は大樹となって今も残る。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第8巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第8巻』所収の「文化叙事伝説」および「自然説明伝説」全133話(滋賀・京都・兵庫=近畿)を、各話の伝承地(市町村〜字レベル)とともに収める。