一念百里を通ふ幽靈
どんな伝承か
維新前、彦根藩士の寺澤友雄という人物がいた。ある夜、同じ藩の武士が寺澤家の垣根の外を通りかかると、垣の上に半身を現し、前後を見回している人影があった。月明かりに照らして見ると、それは家の主人である寺澤その人であった。しかし主人は病床にあって出歩けるはずがない。不審に思い、翌朝その家を訪ねて尋ねると、家の者も同じ時刻に主人の姿が池の上に映るのを見たという。ほどなく彦根から急報が届き、主人は同じ時刻に熱病で亡くなっていたことがわかった。井上円了『妖怪学講義』に記された話である。
原典より
維新前彦根藩士寺澤友雄といふ人があつた。—— 幽霊は語る(梶天真・幽霊研究・大正〜昭和(戦前)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
幽霊は語る(梶天真・幽霊研究・大正〜昭和(戦前))