井戸に落ちた雷の子と桑原欣勝寺
どんな伝承か
昔、いたずら好きの雷がいて、大きな寺を見つけて困らせてやろうと落ちてきた。ところが狙いを外し、寺の脇の深い井戸へ飛び込んでしまう。住職がのぞくと、見たこともない奇妙な生き物が這い出そうとして、手を滑らせては落ちている。問いただすと雷の子で、助けてくれと泣いて頼む。住職は取り合わず竹あみで蓋をしたが、二度とこの村には落ちないと誓ったので放してやった。雷の子は喜んで空へ帰り、その父も感謝したという。以来、桑原に雷が落ちたことはない。今も雷が鳴ると人は「ここは桑原欣勝寺」と唱え、梅雨から夏にかけて雷除けの守護札を受ける参詣人が多い。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第8巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第8巻』所収の「文化叙事伝説」および「自然説明伝説」全133話(滋賀・京都・兵庫=近畿)を、各話の伝承地(市町村〜字レベル)とともに収める。