雨夜の飴買いと母の掛け軸
どんな伝承か
雨がしょぼしょぼと降る夜、女が飴屋を訪ねて来る。一文分だけ分けてほしいと言い、あとは黙って青白い顔を差し出すばかりだった。毎晩やって来るので、飴屋の主人が後をつけて行くと、女は寺の墓のあたりへ入っていく。墓の中から赤子の泣き声が聞こえたので掘ってみると、赤子がまるまると太っていた。寺の住職がその子を引き取って育てた。のちにその子は、幽霊となった母の姿を掛け軸に描いてもらって祀り、その掛け軸は今も残っているという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第6巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第6巻』所収の「文化叙事伝説」全44話(福井・富山・石川=北陸)を、各話の伝承地(市町村〜字レベル)とともに収める。