琉球ズリグワー・マジムンの遊女
どんな伝承か
琉球で最も名高い化け物の一つに、遊女の化け物ズリグワー・マジムンがある。那覇の町だけでなく田舎にも話が広まっていた。中頭郡浦添村屋富祖では、夜更けに村の東の共同井戸アガリヌカーのほうから香ばしい匂いが漂ってきたので、腕に覚えのある若者たちが忍び寄ってのぞくと、美しい遊女が一人、井戸で髪を洗っていたという。琉球の幽霊は女が多く、たいてい洗い髪を垂らしており、本土の幽霊画のような凄みはなく生前の姿のままだとされる。
原典より
深夜、アガリヌカー(東方にある共有井戸)の方で香ばしい匂いがするので、村の強い若者達が忍びよつて覗うと、一人の美しいズリーがカーで髪を洗っていた。—— 日本の俗信 2――俗信と迷信(迷信調査協議会・日本の俗信・1951年(昭和26年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本の俗信 2――俗信と迷信(迷信調査協議会・日本の俗信・1951年(昭和26年))
『日本の俗信 2――俗信と迷信』は、迷信調査協議会が文部省への第二回報告書として編んだ答申書で、まえがきに昭和二十六年十二月の日付がある。迷信の定義や時代性、俗信と生活慣習の区別を委員たちが論じ、食い合わせや守札、憑きもの、河童の名称の分布、迷信による殺人の精神鑑定例などを取り上げる。総論と座談会、各論、結婚・妊娠の迷信の解明、新聞の社説・投書を集めた附録の四章から成る。