屋富祖の井戸
どんな伝承か
浦添市屋富祖に伝わる話。この井戸ができる前、屋富祖には水がなく、ずっと南のエッスのカーグワーまで汲みに行っていた。元所の知念という家に、政府から来たグセイドウ(御政道)という方が泊まった。この家の母親が朝三時ごろに起きて水を汲みに行くのを見て、その方が何に一番困っているかと尋ね、水だと聞くと、杖をついた爺さんであったその人は知念の家の近くへ来て杖を一本立てた。すると水がぼんと出た。これがここのカー(井戸)の始まりだという。爺さんは部落の後ろでも杖を立て、そこからも水が湧いた。以来この部落は水が豊かになり、のちにミィーガーグワーやクシヌカーも掘られたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第15巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第15巻』所収の「文化叙事伝説」「自然説明伝説」全185話(奄美・沖縄=南西諸島)を、各話の伝承地(市町村〜字レベル)とともに収める。