タニシが火から救った菅谷不動尊
どんな伝承か
新潟県新発田市の市街地から北東の方角に、菅谷不動尊がある。不動信仰の本山的な性格を持つ霊場で、置賜地方の人々からも深く信仰されてきた。この不動尊は特に目の悪い人々から篤い信仰を受けている。菅谷不動尊を信仰する人はツブ(たにし)を食べないことになっているといい、これは不動尊が火災に遭ったとき、池の中のツブが不動尊の体について焼失を免れたという伝説によるものだという。そのため参拝する人々は池にツブを放すといい、池にはたくさんのツブが棲んでいたという。本堂の傍らには別棟の建物があり、目の悪い人が二十一日間籠る場所だと伝えられている。
原典より
これは、不動尊が火災にあったとき、池の中のツブが不動尊の体について焼失からまぬがれたという伝説によるもののようである。—— 置賜の庶民生活2(民間信仰)――俗信・ワカ・死霊(置賜民俗学会ほか・置賜の庶民生活) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
置賜の庶民生活2(民間信仰)――俗信・ワカ・死霊(置賜民俗学会ほか・置賜の庶民生活)
『置賜の庶民生活2(民間信仰)』は、置賜地方の民間信仰を、奥村幸雄・武田正・湯川洋司・戸川安章が項目ごとに分担して書いた民俗誌である。人の一生や食物・病気の禁忌、天気占い・作占い・予兆とまじない、ワカ(巫女)、病を治す薬師・道祖神・不動・地蔵、死霊と魂招び・死水の習俗を、古老からの聞き書きや家伝の書付、近世の記録を交えて記す。「禁忌・卜占・予兆」「生活の中の神々」「仏・地蔵」「死霊」などの部に分け、項の末尾に執筆者名を記す。