大正14年頃、新発田市の娘が祭りへ向かう途中
どんな伝承か
大正十四年頃、新潟県新発田市で祭りに出かけようとしていた娘が、赤ら顔の坊さんと出会い一緒に祭りへ向かった。娘が欲しいと思うものは口に出す前から坊さんが次々に買い与えてくれ、食べ物でも着物でも簪でも意のままだった。あまりの不思議さに家人が問いただすと、家財道具が木の葉のように家中を舞い飛んだという。この話が村中の評判になり、娘を悪く言う者が現れると鍬や鎌が飛んできてその者を打ち据えたため、以来娘を非難する者はいなくなった。人々はこの坊さんの正体を天狗ではないかと噂した。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 1 河童・天狗・神かくし(松谷みよ子・現代民話考・1970年代)
松谷みよ子『現代民話考 1 河童・天狗・神かくし』を小話単位で全532話収録。河童・天狗・神かくしにまつわる現代の民話・怪異譚を全国から採集し、地域・話者つきで収録する。各話に採集地(都道府県・市区町村)と話者・回答者を可能な範囲で付す(県判明530話・市区町村判明477話、戦地や場所不明の話を含む)。原典は読者からの投稿・採訪に基づく現代民話の集成。