大面森
どんな伝承か
新潟県南蒲原郡大面村白山に、太郎右衛門という老人がいた。狗(ぐひん、天狗)の信者で、松原にある天狗松で山仕事をしていた最中に狗に投げ飛ばされたことがきっかけで信者になったという。朝、茶を飲んでいると、入口から赤ら顔で鼻の高い、白衣を着た男がすっと座敷に入り込み、板戸を鳴らすなどの悪戯をしたが、度が過ぎると老人はこれを叱りつけた。老人が便所で縄につかまり損ねて倒れそうになったときには助けてくれたこともあり、また親戚の縁談を案じて独り言をつぶやくと、湯殿の外から十五、六歳ほどの子供の声で「駄目じゃ」と二度言われたこともあったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 1 河童・天狗・神かくし(松谷みよ子・現代民話考・1970年代)
松谷みよ子『現代民話考 1 河童・天狗・神かくし』を小話単位で全532話収録。河童・天狗・神かくしにまつわる現代の民話・怪異譚を全国から採集し、地域・話者つきで収録する。各話に採集地(都道府県・市区町村)と話者・回答者を可能な範囲で付す(県判明530話・市区町村判明477話、戦地や場所不明の話を含む)。原典は読者からの投稿・採訪に基づく現代民話の集成。