逆さ屛風と胸に置く刃物
どんな伝承か
小国の金目では、家に死者が出るとすぐに屛風を逆さに立て、遺体を北枕に寝かせた。黒米で作った団子を枕団子として供え、掛け布団は裏返しにして掛ける。さらに死者の胸の上には刃物を置き、槌で打たないカッツァ藁で縄を綯って屛風に掛けておいた。この縄が何のためのものかは、もう誰も覚えていないという。胸に刃物を置くのは、遺体を猫がまたぐと猫の荒い魂が入れ替わって生き返るからだとされる。屛風や布団を逆さにするのは、死者の世界が生者の日常とすべて逆であることを示すためだと説かれている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
置賜の庶民生活2(民間信仰)――俗信・ワカ・死霊(置賜民俗学会ほか・置賜の庶民生活・民俗調査)
『置賜の庶民生活2(民間信仰)』所収の禁忌・卜占・予兆・生活の中の神々・死霊。山形県置賜地方に伝わる民間信仰を採録する。