蛇巻石の大蛇と深穴
どんな伝承か
板尾の古板尾にある大水無谷と小水無谷の間の中尾を登ると、峰の近くに巨大な石がいくつも露出していて、村からも遠く望める。そのひとつが蛇巻石、蛇巻岩とも呼ばれる岩で、灰褐色の安山岩、根回りが二十五米、高さが十五米ほどあり、真ん中がくぼんで大蛇が巻きついたように見える。岩の向こうには深い穴が開いていて、石を落とすと音が長く続き、最後に水へ落ちたような音がする。この穴から大蛇が出て石を巻いたのだという。いまは穴にコウモリがすみ、ときに人を驚かせる。石の色の変わり方で天気を占うともいう。
原典より
この穴が大蛇が出て石を巻いたのだということである。—— 河内村史 下巻(民俗編)――白山麓の伝説(河内村(編)・河内村史) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
河内村史 下巻(民俗編)――白山麓の伝説(河内村(編)・河内村史)
『河内村史 下巻(民俗編)――白山麓の伝説』は、白山麓の河内村の村史の民俗編から、民話・伝説と故事を記した節を収めたものである。白山の千蛇ヶ池や富士山との背くらべ、高ボウケの大蛇、猿仏の名号、おひなの荒、天狗、菊酒、池の金山の伝説など、村と周辺に伝わる話を、白山関係の古文書や郡誌を引きながら記す。第三節「民話 伝説」、第四節「故事 伝説」、第五節「伝説」に分け、話ごとに題を立てて由来や現地のようすを添えている。