加賀の片乳と直海谷川の水
どんな伝承か
加賀の片乳といって、加賀地方でも金沢や短川の方面で育った女の子が嫁いで子を産むと、乳房も出る母乳も片方だけ多いという言い伝えがあった。これは白山川、とりわけ荒れやすい直海谷川や遅川の水を飲んで育った者に多いとされ、この川で育った男は気性が荒いともいわれた。上流には野生の菊が多く、その露が川に流れて菊水と呼ばれ、この水で醸す酒は菊酒と呼ばれて尾山や鶴来の方面で造られた。また加賀地方でゴリ(カジカ)の名産地は遅川、直海谷川であり、なかでも直海谷川のゴリは天下一品と評判であったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
河内村史 下巻(民俗編)――白山麓の伝説(河内村(編)・河内村史・自治体史(民俗))
『河内村史 下巻(民俗編)』第三節所収の民話・伝説。石川県河内村(白山麓)に伝わる白山信仰の伝説を採録する。