専光寺住職が身を隠した藤巻
どんな伝承か
久保の地内に藤巻と呼ばれる場所がある。一向一揆が攻められたとき、専光寺の住職がここに身を潜めたと語り伝えられている。佐久馬の軍勢によって本拠の尾山御坊が落とされ、一向宗の旗頭であった専光寺は厳しい詮議を受けることになったからだという。久保はもともと専光寺の土門徒の村で、住職はまず村の道場に身を寄せ、やがて山中の藤巻へ移った。藤の生い茂る所で身を隠すのに向いていたといい、村人が食べ物や湯茶を運んで支えたという。寺の定紋が藤なのも、このとき藤に助けられたからだと伝えられる。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
河内村史 下巻(民俗編)――白山麓の伝説(河内村(編)・河内村史・自治体史(民俗))
『河内村史 下巻(民俗編)』第三節所収の民話・伝説。石川県河内村(白山麓)に伝わる白山信仰の伝説を採録する。