堤防決潰防止のため
どんな伝承か
人柱伝説の一群のひとつである。深安郡神辺町八尋では、堤防の決潰を防ぐために、通りかかった炮烙売を犠牲にしているという。福山城を築くときにも、朝一番先に通る男をと決め、松永方面から来た魚売りを捕まえて犠牲にした。深安の炮烙売はこうろう天、すなわち弁財天として祀られ、福山城の魚売りは彼の名の久松をもって城の名にしてもらっているという。人柱は生ける霊魂の再生を期待する宗教的行為であって、埋められた本人は永遠に生きかつ再生し、その霊魂が現世に作用して必ず橋や堤防を守るであろうとする前提に立つものだと『広島県史 民俗編』は説いている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
広島県史 民俗編――伝説の分布(広島県(編)・広島県史・自治体史(民俗))
『広島県史 民俗編』所収の伝説の分布論。広島県(安芸・備後)に伝わる伝説を、その素材と分布の地域的特色から論じる。