美濃から渡った金山彦をまつる南宮神社
どんな伝承か
府中市栗柄町には、孝霊天皇と吉備津彦命をまつる南宮神社がある。『福山志料』はこの社の由来をこう説く。むかし美濃国から当地へ移ってきた者が富み栄え、いざなぎ・いざなみを祖とする金山彦命の南宮神社を勧請し、金山彦太神をまつったのだと。備後は古代から近世まで鉄や鋳物の生産と流通が盛んで、畿内やその周辺と行き来する技能集団が住みついていたと考えられ、金山彦の信仰もそのあいだに流れ込んだものらしい。金山彦や妃の金山姫をまつる社祠は、境内社や相殿まで数えると備後を中心に三十社を超えるという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
広島県史 民俗編――伝説の分布(広島県(編)・広島県史・自治体史(民俗))
『広島県史 民俗編』所収の伝説の分布論。広島県(安芸・備後)に伝わる伝説を、その素材と分布の地域的特色から論じる。