察度王
どんな伝承か
奥間子が畑からの帰りに森の川で手足を洗っていると、見たこともない美しい着物が木に掛かっていた。持ち帰って倉に隠すと、川で水浴びをしていた女が着物を失って困っていたので、奥間子は自分の芭蕉布の着物を貸し、家に連れ帰って夫婦になり、姉と弟をもうけた。あるとき姉が、泣くなら倉の飛び衣を着せないと歌って弟をあやしたので、母はありかを知り、着物を取って飛び去った。残った男の子は仕事もせず遊んでいたが、勝連城の婿選びに出かけ、娘に見込まれて夫婦になった。連れ帰った謝名の黄金庭は屋敷じゅうが黄金で、男は大和の鉄と黄金とを交換し、鉄で鍬や鋤を作って農家に配って信望を得た。やがて伊祖城、浦添城の按司を経て中山王になった。これが察度王である。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第15巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第15巻』所収の「文化叙事伝説」「自然説明伝説」全185話(奄美・沖縄=南西諸島)を、各話の伝承地(市町村〜字レベル)とともに収める。