病人が出て荒神に替えられた塚さん
どんな伝承か
大塚町で塚さんと呼ばれる塚神は、いずれも武士の墓という言い伝えを負っている。屋敷の内に祀る家がいくつかあり、玄関先に武士の墓として据える家もあれば、道端にあったものを昭和三十六年の土地改良で移した家もある。ある家では屋敷の南西に石を御神体として塚さんを祀っており、以前そばに大きな椎の木が立っていたことから、もとはその木が御神体だったともいわれた。ところが二十年ほど前、その家に病人が出たため、神主に拝んでもらったうえで、塚さんをやめて荒神さんを祀るように改めたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
島根県出雲市大塚町民俗調査報告書――俗信・憑きもの(出雲市(編)・自治体史(民俗))
『島根県出雲市大塚町民俗調査報告書』所収の俗信・憑きもの・民間療法。出雲平野の大塚町に伝わる心意現象を採録する。カラスの鳴き声で天候を読むアレガラスの予兆、イチヂク・ビワを植えぬ・便所に南天を植える屋敷の禁忌、キツネに憑かれることを『サバラレル』という狐憑き、繁盛するゆえ嫉まれ村八分で結婚に難のあった憑きもの筋『キツネモチ』、着物の裾を結わいたり小豆を井戸に落とすものもらいの呪術的民間療法などを収める。