膳を貸してくれる金山のお竹狐
どんな伝承か
『静岡県伝説昔話集』が伝える狐の話。安倍川の西にある金山には、お竹という古狐が棲んでいた。葬式などで人が大勢集まり、出す膳が足りなくなったときには、金山のお竹のところへ借りに行こうといって、夜、山へ登る。そして何日の何時までに御膳が十五人分足りないから貸してくれ、と独り言のように唱えて帰ってくる。当日その場所へ行ってみると、近くの竹藪や林の中に、頼んだとおり十五人分の立派な膳がきちんとそろえてあった。これはお竹狐が用意してくれたものだという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
暮しの中の妖怪たち(岩井宏実・岩井宏実・民俗学・昭和(現代民俗学))
民俗学者・岩井宏実による妖怪事典『暮しの中の妖怪たち』。日本各地の妖怪を暮しの空間(山・海・道・家・屋敷)ごとに、約六十項目にわたり具体例とともに解説する。