掛け軸をいじる屋敷の一つ目小僧
どんな伝承か
一つ目小僧は山中だけでなく町なかにも現れた。昔、江戸の四谷に住むウズラの行商人が麻布の屋敷町でウズラを売り、代金を受け取るまで一室で待たされた。襖は破れ、天井から雨の漏る部屋である。そこへ子供が一人現れ、床の間の掛け軸を巻いたり広げたりしていたずらを繰り返す。ほどほどにしなさいとたしなめると、子供は「黙ってろ」と大声をあげてこちらへ顔を向けた。それは一つ目小僧であった。屋敷の者によれば、時折現れては悪さをし、物を勝手に食べていくのだという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
暮しの中の妖怪たち(岩井宏実・岩井宏実・民俗学・昭和(現代民俗学))
民俗学者・岩井宏実による妖怪事典『暮しの中の妖怪たち』。日本各地の妖怪を暮しの空間(山・海・道・家・屋敷)ごとに、約六十項目にわたり具体例とともに解説する。