外山屋敷の封じられた社の怪
どんな伝承か
尾州外山の御屋敷では、いつのころか御成の前に見分があり、片山里と思われる場所にあった古い社の錠を、頭取を務めていた気丈な夏目某が強引に開けさせた。すると恐ろしい形相で、大きく驚いた様子ですぐに扉を閉め、後で聞くと面長な物が頭をぐっと突き出し、眼が光ってあたりを照らしていたと語ったという。筆者の守信は、先代が見苦しい品を封じ込めて崇めていたものを夏目某が知っていて、話を作ったのではないかと解釈している。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
科学的教養(小泉丹・小泉丹・科学論・昭和(戦中))
生物学者・小泉丹『科学的教養』(戦中刊)。国民の科学性とは科学知識の普及ではなく科学的態度であるとし、科学的・非科学的の境界を吟味したうえで、怪異談を科学的に検討する。