多木晃の記録した四回の念写
どんな伝承か
福来友吉の求めに応じ、多木晃は森竹鐵子の念写を自宅で四回試み、記録を残した。明治四十四年二月二十八日には黒丸を念じさせ、夜に現像すると薄い円形が現れた。四月九日の午前にも黒丸の像が鮮明に出て、午後には大の字を二枚の乾板に念写させると、どちらにもはっきり現れた。多木は手元を監視して不正は無かったと記す。題に無い木目のある方形や指の形も写っており、前日に見つめていた折詰の仕切り板や、紙を押さえた二本の指が潜在観念として写ったものと福来は解した。
原典より
然る處敦れの乾板にも、大の字が頗る明瞭に現出せり。—— 心霊と神秘世界(福来友吉・1932年(昭和7年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
心霊と神秘世界(福来友吉・1932年(昭和7年))
『心霊と神秘世界』は、文学博士福来友吉が著し、昭和七年に人文書院から発行された心霊研究と仏教思想の書である。御船千鶴子・長尾夫人・三田光一らの透視と念写をはじめ、霊の幻化、念動、物質化など国内外の心霊現象を実験記録とともに論じ、後半では自我・神秘世界・霊と生命を真言密教や華厳の教えによって説く。全五編からなり、この本文は昭和五十七年に心交社が出した復刻版で、梅原正紀・井村宏次らの「解説研究編」を付している。