越後七不思議・地中から燃える火
どんな伝承か
『東遊記』によれば、弥彦山のふもとから南へ行くと三条という所があり、その南一里の妙法寺村には、越後の七不思議の一つとして地中から火の出る家が二軒あった。なかでも百姓庄右衛門の家の火が大きかった。囲炉裏の隅に据えた古い挽き臼の穴に一尺あまりの竹を差し、その口に火をつけると、竹の中から炎が出て先端にともる。強く吹けば消え、長さは一尺ほど、太さは竹筒ほどで、大きな蝋燭をともしたように明るかった。その正体は油田地帯から湧く石油で、当時の人々は火の井戸や臭水(くそうず)と呼んで不思議がったという。
原典より
そしてその竹の口へ火を点じると、忽ち竹のなかから火が出てきて、竹の先にともる。—— 妖怪の民俗学――日本の見えない空間(宮田登・宮田登・民俗学・1985年(昭和60年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
妖怪の民俗学――日本の見えない空間(宮田登・宮田登・民俗学・1985年(昭和60年))
『妖怪の民俗学――日本の見えない空間』は、宮田登が一九八五年(昭和六十年)に著した、妖怪の現れる場所を論じた民俗学の書である。柳田国男と井上円了の妖怪論、幽霊と妖怪の違い、口裂け女と産女、皿屋敷、化物屋敷と下女、辻・橋・境の怪異、怪光と怪音、七不思議、通り悪魔と髪切りを、古文献や新聞記事、各地の伝承から読み解く。四章から成り、都市の空間に妖怪が現れる仕組みを軸に据える。