油を粗末にすると出る家の怪
どんな伝承か
灯火の油をめぐる怪の一つ。新潟県南蒲原郡大面村の帯織にある旧家には、アブラナセという怪物が棲みついていて、家の者が灯油を粗末に使うと「アブラナセ」と声をかけたという。アブラナセとは油を返せという意味の言葉である。同じ趣旨の妖怪に、天草の草隅峠に出るという油瓶を提げた姿の油スマシがあり、これも油を無駄使いするなと戒めるものだとされる。油を舐める怪火や、油を盗んだ罪で処刑された者の妄念が火になる話も各地に伝わる。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
暮しの中の妖怪たち(岩井宏実・岩井宏実・民俗学・昭和(現代民俗学))
民俗学者・岩井宏実による妖怪事典『暮しの中の妖怪たち』。日本各地の妖怪を暮しの空間(山・海・道・家・屋敷)ごとに、約六十項目にわたり具体例とともに解説する。