猿沢池の月影を突いた鎌槍
どんな伝承か
興福寺の一院であった宝蔵院に、胤栄という僧がいた。僧の身でありながら刀や槍の術を好み、四十人あまりの武人に就いて必勝の道を求めたが、どうしても会得できなかった。ある年、春日明神が夢に現れ、磬・鎌槍・地蔵の三つの器を授けられる。その後、猿沢池の水面に映る月影を槍で突いたとき、ついに悟るところがあり、これが宝蔵院流の槍術の始まりになったと伝わる。
原典より
興福寺の一院であった宝蔵院の僧、胤栄は釈門でありながら刀槍の術を好み、武人四十余人について必勝の術を得ようとしたが目的は達せられなかった。—— 奈良市史 民俗編――伝説(奈良市(編)・奈良市史・自治体史(民俗)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
奈良市史 民俗編――伝説(奈良市(編)・奈良市史・自治体史(民俗))
『奈良市史 民俗編』第十一章所収の伝説。奈良県奈良市に伝わる木・石・塚・水・山・森・社寺・人物・動植物・町名の伝説を昭和三十七年からの探訪で集成する。