性を抜かずに埋めると目が潰れる井戸
どんな伝承か
大治では井戸神のことをふつう水神と呼ぶ。八ツ屋では、井戸に古くから放してあるフナを井戸神とみる家もあった。井戸は神聖な場所だから刃物などを置くものではないといい、井戸を埋めて潰すときには井戸神の性を抜く儀礼を必ず行う。これを怠ると目が潰れるとまで言われた。刃物を置くなという戒めはクドについても同じである。廻り荒神の考え方でいえば井戸は荒神の住まいということになり、三本木では荒神は夏のあいだ井戸にいると伝えていた。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
大治町民俗誌 下――霊と神・怪異・俗信(大治町(編)・大治町民俗誌・自治体史(民俗))
『大治町民俗誌 下』第五〜八節所収の霊と神・怪異・俗信・民間療法。愛知県海部郡大治町に伝わる心意現象を採録する。