井戸と鐘・光の怪
どんな伝承か
井野の十一面観世音を祀る堂の横の畑に南天の木が植えてあり、その木の下に井戸があるという言い伝えが残っていた。昔、まだ立派な寺だった時分に焼き打ちをされ、坊様が吊り鐘をかぶったまま井戸に入ったというのである。本当に井戸があるのかと語り手の父と桶屋の老人が掘ってみると、万能の先がカチンと何かに当たり、西北の方から物凄い光がバーッと出た。驚いて綱を引かせて上がり、掘った土を元通り埋めてしまった。のちにその畑に肥料をかけた家に病人が絶えず、占うと井戸神の咎めだといわれ、南天を植えたという。
原典より
昔、まだ立派なお寺だった時分に、焼き打ちをされて坊さまが吊り鐘をかぶったまま、井戸に入ったというのです。—— 取手市史 民俗編2――将門伝説・怪異(取手市(編)・取手市史) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
取手市史 民俗編2――将門伝説・怪異(取手市(編)・取手市史)
『取手市史 民俗編2――将門伝説・怪異』は、取手市の市史民俗編のうち、俗信の箇条の末尾に続く第四節「伝説」・第五節「不思議な話」・第六節「祟り」を収めた部分である。市内各地区での聞き取りを話し言葉のまま書き起こし、長い四話は『取手町郷土史資料集 第一集』から抜粋する。将門と桔梗御前の伝説、地蔵・社寺・樹木の伝説、狐やムジナ・化け猫・幽霊・タマセの話に続き、忌田や祟り山の話を所有者名と地区を伏せて載せる。