桜木神社近くの不思議な光
どんな伝承か
日比田出身の男性が十五、六歳のころに体験した話。冬か春のこと、父と二人でさつまいもの俵を車に積み、所沢の駅まで引いていった。父は代金を受け取ってから帰るので先に帰れと言い、彼は空の車を引いて夜道を一人で戻った。寂しい桜木神社の近くにさしかかり、車がカタコンと鳴る音を聞きながら歩いていると、急にあたりがすうっと明るくなって自分の影が映り、すぐまた暗くなった。そのときぞっとしたのをよく覚えているという。
原典より
この辺りは寂しいところで、車のたてるカタコン、カタコンという音を聞きながら歩いていたら、突然辺りがすーっと明るくなって、自分の影が映り、すぐと暗くなった。—— 所沢市史 民俗編(所沢市史) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
所沢市史 民俗編(所沢市史)
『所沢市史 民俗編』は、所沢市の市史の民俗編から、第一二章「口頭伝承」の一部を収めたものである。ヘビや天狗・カッパ・雷獣の話に続けて、世間話の「不思議な話」としてカラス鳴き・人魂・死の予兆・夢・木の祟り・生き霊・幽霊騒ぎ・タクシーの幽霊などを、市内の話者からの聞き書きで記す。話ごとに題を立てて同じ題の話を番号で並べ、話者の性別などを添え、ホラ吹きやオトウカドンの話も続ける。