狐が奉公人についた話
どんな伝承か
婆さんがよく言うには、狐は憑いていくものだという。ある家で奉公人を置いたところ、狐が飛んで通った。これは後で聞いた話だと断りながら、狐が化けたのかどうかは分からないが、その奉公人は着物のすそをまくり上げ、家の前の川の中へ入って「田植えだァ、田植えだァ」と一生懸命に言いながら飛び歩いたのだという。婆さんはよくそんな話をした、と話者は語る。向原で採集された世間話で、報告書では信仰の憑きものに分類されている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
向原の民俗 上――昔話・伝説・怪異(民俗調査報告 第9号・第10号・民俗調査報告・民俗調査報告)
『向原の民俗 上(民俗調査報告第9号・第10号)』第IX章口承文芸所収の昔話・伝説・怪異。山梨県南都留郡の向原・明見地区に伝わる口承を採録する。