大天狗の碑――娘をさらう天狗
どんな伝承か
北川辺の西の端に遍照寺山という砂山があり、遍照寺近くの松の大木の下に大天狗の碑が立っている。昔、飯積のある農家の娘が六月一日にまんじゅうを作っていると、鼻の高い赤ら顔の大男が不意に現れ、娘を小脇に抱えて駆け去った。天狗が娘をさらったと村じゅうが大騒ぎになり、翌朝、娘は松の枝に高く吊るされて息絶えているのが見つかった。ほかの娘もさらわれかねないと、村人は天狗を祀って許してもらうことにし、大天狗の碑を建てた。それ以来、飯積では六月一日にまんじゅうを作る人がいなくなったという。
原典より
翌朝、村人は松の木の枝に高々と吊され、果てていた娘を発見した。—— 古河市史 民俗編――伝説(古河市(編)・古河市史) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
古河市史 民俗編――伝説(古河市(編)・古河市史)
『古河市史 民俗編――伝説』は、古河市が編んだ市史の民俗編のうち、第一章「伝説と昔話」の伝説の節を収めたものである。古河市と周辺の総和町・野木町・北川辺町に伝わる沼や神木、三国橋の人柱、お菊卵塔などの墓地、源頼政や静御前、地蔵や野木明神の蛇にまつわる話を短く記す。伝説の特徴と分類を述べたのち、自然・社会・人物・信仰の四つに分けて収め、町名の由来を添え、昔話の節の冒頭で終わる。