山がら塚の刀の音
どんな伝承か
昔、山雀(やまがら)をめぐって言い争った若い武士二人が、刀を抜いて斬り合いになった。殿さまの許しもなく勝手に騒ぎを起こしたとして、それほど斬り合いたいなら一生斬り合っていろと命じられ、二人は刀を手にしたまま、隆岩寺の墓地に掘られた深い穴へ生き埋めにされた。それ以来、月の明るい夜の丑三つ時にひとりでこの塚へ行き耳を澄ますと、刀を打ち合う音が聞こえると伝わる。『古河志』にも、本多中書が城主だったころ、山雀捕りがもとで藩士が数人をあやめて自害し、皆を一か所に合葬したという土地の口伝が書き留められている。
原典より
それから、月の良い丑三つ時に、一人でこの塚に行って耳をすますと、刀で切りあっている音が聞こえるといわれている。—— 古河市史 民俗編――伝説(古河市(編)・古河市史) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
古河市史 民俗編――伝説(古河市(編)・古河市史)
『古河市史 民俗編――伝説』は、古河市が編んだ市史の民俗編のうち、第一章「伝説と昔話」の伝説の節を収めたものである。古河市と周辺の総和町・野木町・北川辺町に伝わる沼や神木、三国橋の人柱、お菊卵塔などの墓地、源頼政や静御前、地蔵や野木明神の蛇にまつわる話を短く記す。伝説の特徴と分類を述べたのち、自然・社会・人物・信仰の四つに分けて収め、町名の由来を添え、昔話の節の冒頭で終わる。