三国橋の人柱
どんな伝承か
昭和の初め、渡良瀬川に架かる三国橋を鉄橋に架け替える工事が始まった。ところが流れが速く底も深い川の中ほどでは、足場を組んでも押し流され、鉄筋を立てても倒されて、橋脚の基礎がどうしてもできなかった。水を引き裂かれる水神さまが腹を立てて邪魔をしているのだと人々が噂していたころ、川底で作業していた三人の人夫の上に、練ったコンクリートが流し込まれてしまう出来事が起きた。それから後は難航していた橋脚もぶじに立ち、鉄橋は完成したという。
原典より
これは流れてくる水を引き裂くため、水神さまが怒って工事のじゃまをしているのだと、人々がうわさしているおりに、ある日、川底で働いていた三人の人夫たちの上に、どろどろに練ったコンクリートが流しこまれてしまった。—— 古河市史 民俗編――伝説(古河市(編)・古河市史) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
古河市史 民俗編――伝説(古河市(編)・古河市史)
『古河市史 民俗編――伝説』は、古河市が編んだ市史の民俗編のうち、第一章「伝説と昔話」の伝説の節を収めたものである。古河市と周辺の総和町・野木町・北川辺町に伝わる沼や神木、三国橋の人柱、お菊卵塔などの墓地、源頼政や静御前、地蔵や野木明神の蛇にまつわる話を短く記す。伝説の特徴と分類を述べたのち、自然・社会・人物・信仰の四つに分けて収め、町名の由来を添え、昔話の節の冒頭で終わる。