十四年の絶食絶飲を記した物語
どんな伝承か
明治の日本が生んだ稀代の霊媒として、鶴岡の長南年恵の名が伝わる。心霊学者の浅野和三郎はその弟長南雄吉から直接話を聞き、秘蔵の資料や証拠の品を見せてもらったうえで『長南年恵物語』を著した。そこに挙げられた年恵の姿は常識を超えている。飲食を絶った状態が十四年に及び、大小便の生理作用がなく、生涯に月経も一度としてなかった。数分の祈願で幾十本もの壜に霊水が満ち、五十歳で世を去ったときの容貌はなお二十歳ほどに見えた。教養がないのに入神すれば書画に非凡な腕を見せ、詐術の嫌疑で何度も投獄されたが、奇蹟は獄中でも裁判官の眼前でも起こったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
近代日本霊異実録(笠井鎮夫・霊異・神憑り実録・昭和)