妹の霊が姉に会いに来て、甥の面倒を見てほ
どんな伝承か
大阪府下東成郡長居村の山本辰吉の妻・霜は、明治三十五年の夏、三男の末雄を感冒で亡くした。臨終の間際まで『姉さんに逢いたい』と繰り返したが、同じ頃病床にあった姉の政とはとうとう会えないまま息を引き取った。葬儀の晩、政の夫伊之助が家へ帰ると雨戸を叩く音がしたが誰もおらず、政は蒼い顔で『霜が来て何も言わずに泣いていた』と語った。翌晩も同じことが続き、伊之助が『末雄のことは引き受けた』と声をかけると、泣き声はぴたりと止んだという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本怪談実話(田中貢太郎・河出文庫版・決定版・昭和13年編纂(1938年))
日本怪談実話(田中貢太郎)/幽霊と怪光の実話/怨霊と祟り・因果/死の前兆と怪音/各地の怪異実話