昭和五十四年のこと
どんな伝承か
昭和五十四年、静岡県島田市宝来町での話。信心家の母は、娘が結婚して夫の会社の社宅に入ると、神棚とお札、御幣まで一式を持ってきた。ある日の朝食どき、その御幣がカタンと音を立てて倒れた。一瞬いやな予感が走ったという。午後、愛知県の実家にいる妹から、平戸橋の叔母が自殺したという電話が入った。その時間は、叔母が自ら命を絶った時刻とほぼ一致していた。叔母は娘を大変可愛がっており、親族の中でただ一人この家を訪れ、神棚に手を合わせた人だったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 ― 死の知らせ・あの世へ行った話(松谷みよ子・民話・口承文芸・昭和)
松谷みよ子『現代民話考 ― 死の知らせ・あの世へ行った話』を小話単位で全699話収録。死の知らせ・予兆、あの世(地獄・極楽)へ行った話、死者からのサイン、生まれかわりなど、生死とあの世にまつわる現代の民話を全国から採集し地域・話者つきで収録する。各話に採集地(都道府県・市区町村)と話者・回答者を可能な範囲で付す(県判明606話・市区町村判明489話、戦地や場所不明の話を含む)。原典は読者からの投稿・採訪に基づく現代民話の集成。