中原馬場のマジムンに恋した男
どんな伝承か
今帰仁村の字謝名と平識の境に中原馬場というところがある。ここをある夜、二人の青年が通りかかると、松の木の下に美しい女が立っていた。二人がこの女と話をしているうち、一人が小便のために去り、戻って来て女の姿を見ておどろいた。女は舌が長く目玉のとび出した化けものである。青年は友達を残して家に帰った。翌日、女は妖怪だと告げたが、惹かれたもう一人の青年は夢中になった。物識りの老婆に説得を頼むと、老婆は青年を諭してからその女を刺すといいと言った。青年は納得し、隙を狙って女を刺した。女は悲鳴をあげ、胸から螢火のような青光のする血を散らした。翌日たずねて見ると、古い棺の片板に短刀が突き刺さっていたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
怪談の世界(山田野理夫・昭和中期(1977年頃))
ザシキワラシ(座敷童子)と福の神(怪談の世界)/遠野・東北の怪異伝承/家運の盛衰と怪音/妖怪と幽霊譚/山田野理夫の怪談採集