美人の出ない村
どんな伝承か
今帰仁村運天では、運天港の北方に、源為朝が潜伏していたという寺原の洞窟が残る。洞窟の中には拝所があり、ビジュルと呼ぶ霊石が据えられていて、土地の人は年に二回これを拝むという。為朝は漂着ののち、湧川村の海岸下我部で隠居の翁に食塩の製法を教えたと伝え、その地には塩屋の御岳がある。為朝が数日病に臥したのち、ひそかに夜中に逃げ去ったので、翁は自分が迷惑をかけたのかと思って身を投げたのだろうと考えられ、近隣の者ともども七日ごとの祭りを営んだ。その地を割海の寺という。為朝が僧侶の姿で来たから寺の名がついたと伝え、ここにも霊石のビジュルがあって、土地の人は航海や船の行方を占うという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第15巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第15巻』所収の「文化叙事伝説」「自然説明伝説」全185話(奄美・沖縄=南西諸島)を、各話の伝承地(市町村〜字レベル)とともに収める。