百按司の骨と青年将軍伝説
どんな伝承か
浦添城の石垣の上に立つと、干瀬の美しい東西の海が一度に見え、島の歴史の八百年が見える。嘉津宇嶽の向いの麓が運天の港で、そこには百按司の骨が朽ちて残っている。身長が六尺何寸、弓は三十人力という青年将軍が、大和から漕ぎ寄せてそこに上陸し、浦伝いにのっしのっしとやって来て、やがてこの下の牧港を出て還ってしまった。残波岬の波はその時分から今に至るまで、この島の女たちが眺めては泣くべき波であったという。恩納岳は東へ靡いて山の姿がしおらしく、その麓では女詩人の恩納なべが恋を歌い、また大王の徳を称えた。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
定本柳田国男集 第1巻(柳田国男・定本柳田国男集)
柳田国男編『定本柳田国男集 第1巻』を全451話・伝説(1見出し=1話)単位で収録(緒言・序・名義・解説・和歌・注は除外/内包)。所在地(郡村区・社寺)を付して集成。