消防組も出た少年の大捜索
どんな伝承か
少年の行方不明を受け、七戸尋常高等小学校長は男性職員を五部隊に分け、膝森山方面、県道沿いの浦野館村方面、国道沿いの中野から天間林村方面、奥羽種馬牧場付近、さらに北の坪方面へ捜索に出した。夜十時には警鐘を乱打して消防組を非常召集し、最初に子供を発見した者へ金二十円の賞金を出すと約した。翌日は職員と上級児童約三百名の大捜索隊が加わり、坪や柳平の部落まで草を踏み分けたが手がかりはない。数里北の野辺地町で子供を馬に乗せた百姓の噂が立ち、自転車隊が向かったが別人と分かった。柳平の林野にあるぜんぢ狐穴の古狐の仕業だとも噂された。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
變態心理と犯罪(中村古峽)
『變態心理と犯罪』は、雑誌『變態心理』を主宰した中村古峽による変態心理学の論集である。二重人格・夢遊病・狐憑き・神隠し・催眠術を心理学の立場から解き、大本教・天理教・金光教の神懸りを妄想や人格変換として退け、霊能を称する火渡りや針刺しなどの実験の種を明かす。終わりには迷信や二重人格のからむ大正期の犯罪事件の実話を収め、著者自身の被験者や綾部の大本教訪問の見聞も例に引く。