佐渡羽茂長者と六部の幻術
どんな伝承か
昔、諸国行脚の六部が佐渡を巡り、羽茂村の羽茂長者の家に一夜の宿を求めた。宝物の話から宝比べとなったが、六部の宝は石塊一つであった。盆に載せると石塊は霧を吹き、黒雲が巻いて雨が降り、やがて島の形に変じて樹木と人家が現れ、どの家にも白椿が咲いていた。日が暮れると鐘楼堂から一人の少女が下りてくる。長者の老僕はその少女を袂に忍ばせた。六部は不老長寿の霊肉を長者に渡すが、長者が石塊欲しさに騙し討ちを企てると、六部は石塊を門石にぶつけ、霧の中に消えた。老僕の家では少女が娘盛りの姿で出迎え、霊肉を食べて老いなかったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
福井縣鄕土誌 民間傳承篇(福井縣鄕土誌・昭和初期(1920年代~1930年代推定))