山ノ内
どんな伝承か
昭和十五年頃のことという。長野県下高井郡山ノ内で、教員として任地に赴いていた語り手の生まれ故郷には、弟夫婦と母親が住み、百姓を営んでいた。十二月、雪の降るある日、弟から母の病が篤いという電話が入った。雪が深く、電車を乗り継いだ上に六キロの道のりを歩かねばならず、夜のうちに向かうことができなかった。心にかかりながら床についたその晩、夢の中で母親が赤ん坊の姿になって自分のふところに飛び込んできた。不思議に思っていると、母の死去を知らせる電話がかかってきたという。回答者は長野県在住の大月松二。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 4 夢の知らせ・火の玉・ぬけ出した魂(松谷みよ子・現代民話考・昭和50年代~60年代(推定))
松谷みよ子『現代民話考 4 夢の知らせ・火の玉・ぬけ出した魂』を小話単位で全513話収録。夢のお告げ・予知夢、火の玉、ぬけ出した魂(離魂)など、心と生死の境にまつわる現代の民話を全国から採集し収録する。各話に採集地(都道府県・市区町村)と話者・回答者を可能な範囲で付す(県判明482話・市区町村判明386話、戦地や場所不明の話を含む)。原典は読者からの投稿・採訪に基づく現代民話の集成。