もう今から四十四、五年前(昭和の初め頃か・註/松谷)
どんな伝承か
鹿児島県大島郡徳之島町、ナンジュ(現在の大川)と呼ばれる辺りは、昼でも竹藪が茂り薄暗い場所であった。今から四十四、五年前の二月、砂糖しぼりの時期、夜の十時頃に、その竹藪のあたりに星のような光が七つに分かれたり一つにまとまったりしながら見えていた。近寄ってみると、その光はいつの間にか消えてなくなっていたという。これはケンムン火と呼ばれる現象であろうと語られている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 1 河童・天狗・神かくし(松谷みよ子・現代民話考・1970年代)
松谷みよ子『現代民話考 1 河童・天狗・神かくし』を小話単位で全532話収録。河童・天狗・神かくしにまつわる現代の民話・怪異譚を全国から採集し、地域・話者つきで収録する。各話に採集地(都道府県・市区町村)と話者・回答者を可能な範囲で付す(県判明530話・市区町村判明477話、戦地や場所不明の話を含む)。原典は読者からの投稿・採訪に基づく現代民話の集成。