福川の主
どんな伝承か
かつての母間村の中央を流れる福川という小川のよどみに、大うなぎの住みかがあった。そこに住みつく主は、一匹が姿を消すとまたすぐ後継ぎの一匹が現れ、いずれも重さ七、八キロはあろうかという大うなぎばかりであった。村人たちは、絶えることなく必ず現れる代々の大うなぎをウナンギャナシ(うなぎの神様)だと信じ、手厚く保護していたという。ある日、母間村で大火事が起こり、火の手は村中に広がって大うなぎの住みか近くまで燃え移ってきた。ちょうどこの時、住みかから小川の中央に飛び出してきた大うなぎが盛んに尾びれを動かししぶきをあげると、燃えさかっていた火はたちまち消えたのだそうである。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第15巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第15巻』所収の「文化叙事伝説」「自然説明伝説」全185話(奄美・沖縄=南西諸島)を、各話の伝承地(市町村〜字レベル)とともに収める。