呼べば寄ってくるキジムナーの火
どんな伝承か
読谷の宇座で、十歳ぐらいのころの思い出として語られる。砂糖小屋のあった時代、キビ畑のあいだにニクブクという莚を敷いて夕涼みをした。子供たちは寝ころんだままキジムナーをからかい、砂糖をやるぞと呼ぶ。すると蝋燭の炎に似たぼんやりした火の玉が田の方から近づいてくる。近くまで来ると怖くなり、くそくらえと叫べば火はぱっと消えた。姿は見えないが、呼べば火は必ずやってきて、何度も唱えるといくつも灯り、恐ろしかったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 1 河童・天狗・神かくし(松谷みよ子・現代民話考・1970年代)
松谷みよ子『現代民話考 1 河童・天狗・神かくし』を小話単位で全532話収録。河童・天狗・神かくしにまつわる現代の民話・怪異譚を全国から採集し、地域・話者つきで収録する。各話に採集地(都道府県・市区町村)と話者・回答者を可能な範囲で付す(県判明530話・市区町村判明477話、戦地や場所不明の話を含む)。原典は読者からの投稿・採訪に基づく現代民話の集成。