大正初年の頃の話
どんな伝承か
大正初年の頃の話。ある年の夏の洪水の時、柏木の松本芳太郎が、ふなくそへ川魚をすくいに行った。道の途中で大きながま蛙に出会い、藪の中へ蹴り込んで行った。着いて一たますくうと熊の手が入り、二たまめは川底に引っかかってなかなか取れず、三たまめには人間の赤子が入った。岩の上に寝かせて煙草を吸っていると、赤子は突然川へ飛び込み、増水した奈半利川を泳いで沖へ逃げて行った。その後、芳太郎は生き死にの大患いをし、太夫に見てもらうと奈半利川のえんこうが憑いているといわれ、祓ってもらってようやく治ったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 1 河童・天狗・神かくし(松谷みよ子・現代民話考・1970年代)
松谷みよ子『現代民話考 1 河童・天狗・神かくし』を小話単位で全532話収録。河童・天狗・神かくしにまつわる現代の民話・怪異譚を全国から採集し、地域・話者つきで収録する。各話に採集地(都道府県・市区町村)と話者・回答者を可能な範囲で付す(県判明530話・市区町村判明477話、戦地や場所不明の話を含む)。原典は読者からの投稿・採訪に基づく現代民話の集成。